モカって…

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朝晩ひんやりする日が続いたかと思えば、日中は暑くてTシャツになったり。でももう晩秋ですね。最近コーヒー豆の仕入れをする際に感じることをいくつか。特に今日は「モカ」のお話。

当店はたくさんの種類の生豆を在庫し、少量焙煎の焙煎機でお客様のご注文に応じ、都度焙煎する形にしています。生産国や生産地域が同じでも風味の違う豆があるので、色々楽しんで頂けるよう品揃えを検討しています。

例えば当店にタンザニアという国のキリマンジャロという豆があります。一般にキリマンジャロと言えば、酸味の強い豆なのですが、最近入荷したタンザニア キリマンジャロ エーデルワイス農園ナチュラルというのは、農園が限定されており、更に一般的なキリマンジャロとは異なる精選方法をであるナチュラルプロセスで精選されており、香り豊かで酸味もまろやかで、ワンランク上の味わいなのです。

大量生産を前提とせずハイクラスな味わいを目指した物を「スペシャルティコーヒー」と呼んだりしますが、この品揃えは、価格帯のこともあって、実はいつも悩ましいのです。

「スペシャルティコーヒー」よりも「コモディティ」と呼ばれるコーヒーの方が主流であることには違いありません。品質は非常に安定しており、おいしいと私は思いますが、一方で農園限定や精選方法がナチュラル精選、あるいは最近流行りのアナエロビック精選など風味に魅力を持たせたものも増えていると感じています。特にイエメンやエチオピアで生産される「モカ」と呼ばれるコーヒーは、以前からその香りと風味が特徴的で人気があります。「モカ」というのは、イエメンの港の名前で、かつてそこからヨーロッパに向けて船積みされたイエメン産とエチオピア産の豆をそう呼び、コーヒールンバに歌われた頃、喫茶店で人気を博し、今は産地や農園、集荷場を限定し、ナチュラル精選特有のフルーティな香りでその人気は続いています。当店で揃えているのは、イエメン産はモカマタリピュアナイン、エチオピア産では、モカ レケンプティ、イルガチェフ ハルスケ、モカ グジです。今後も入荷の予定があります。まず香り。芳香剤のような人工的な香りでなく、トロピカル系の甘い果実を想像させるような香りと、味の方も酸味と苦みのバランスが良く、後味に甘味が感じられます。この辺は価格帯が上がればクォリティも上がります。

新たなコーヒーの流行をサードウェーブ(第三の波)と言うのだそうですが、浅煎りで、さわやかで明るい酸味、ジューシーでフルーティな香味を味わうコーヒーを言うのだそうです。これに対するは、かつてのブレンドかもしれません。酸味を抑え、苦味を利かせたブレンドは、やはりブラジルやコロンビアのコモディティの味に近いものがあります。ただこの手のコーヒーも新鮮なうちはコクが感じられますが、焙煎後劣化すると酸化して酸味が増します。この酸味は確かに飲みにくいと思います。モカの酸味はこれとは違います。浅煎りの方がカフェインも高いそうで、さわやかなモカを是非一度お試し下さい。カフェモカという飲み物もありますが、あれはエスプレッソコーヒーにミルクやチョコレートソースをかけたもので、コーヒー豆のモカとは別物のようです。焙煎したてのモカは最高です。是非お試し下さい。

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