精選?精製?ナチュラル?ウォッシュド?

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コーヒーには、たくさんの銘柄がありますね。どんな味なのか?どれを買えば良いのか?率直に言えば、自分で考えて選ぶのは、面倒な話です。定説みたいな話で、例えば、「キリマンジャロは酸味がある」とか、「マンデリンは苦みがある」とか、実感もないから、手近なブレンドで良い。あるいは、真剣に考えたことがないという方が多いのではないかと思います。過去においしいコーヒー出会ったことがあっても良く分からないことの方が多いかもしれません。つい先日、そんなお話をお客様から伺いました。ただでさえ悩ましい日常生活。コーヒーで悩むのも...

例えば、楽しみ方のひとつと言うか、話のネタとして、「コーヒー豆の精選(精製)方法」について一席。

「精選」なんて言葉、あまり聞き慣れません。はるか遠い昔、受験生の頃、入試精選問題集」というのを持っておりました。それ以来の「精選」です。「コーヒー豆」というのは、「コーヒーノキ」という植物の果実であるコーヒーチェリーの中に入っている種のことなのです。この実の中に種が2つ入っていて、これを取り出して乾燥させたものが、コーヒー豆なのです。果実から種を取り出して、飲料用コーヒー豆に仕立てるプロセスを「精選」とか「精製」と言い、産地やコーヒーの種類、そして目指す味わいによって、いくつか異なる工程があるのです。コーヒー豆の精選(精製)方式には、いくつかあって、代表的なものは以下の通りです。熟した木の実を収穫して来て、その種を取り出す際に果肉をどう除去するかというのが、概ねそれぞれの違いで、生産地の事情や伝統的な方法などそこそこ色々あるみたいです。

①ウォッシュド

果肉を取り、種子の周りの粘液質を取り、しっかり洗ってから乾燥させる方式(洗う方式)

※代表銘柄 ケニア(ケニアAA)、ガテマラ(ガテマラSHB)他

②ナチュラル

果肉を付けたまま乾燥させ、後で果肉を取る方式

※エチオピア(イルガチェフ)、イエメン(モカマタリ)他

③ハニー

果肉を取り、種子の周りの粘着質を少し残して乾燥させる方式(とりあえず果肉は取る)

※コスタリカ(コスタリカハニー)、ニカラグア(カツーラハニー)他

④スマトラ式

最初に収穫した農家で果肉を取り、少し乾燥させ、後に集荷場で粘着質を取り、もう一度乾燥させる方式。インドネシアのスマトラ島・ジャワ島で、主にマンデリンを精製する方法です。

※インドネシア(マンデリン)

⑤パルプドナチュラル

ブラジルでグリーンセパレーターという機械が開発され、果肉から種を取り出す作業の機械化が進められ、果肉をまず取り、粘着質はそのままにして乾燥させる方式が発明されました。結果的にハニー精選(精製)と同じようなプロセスになりますが、ブラジルは、収穫量も多く、生産が大規模な為、精選(精製)の際の果肉除去と同時に同時に未成熟豆を除くことを目的に生み出されたもので、風味の為の工夫ではないそうです。

※ブラジル(サントス、ショコラなど)

代表的なものをご紹介させていただきましたが、このような違いがあり、それぞれ味わいにも違いがあるのです。もちろん産地や銘柄、焙煎度合いなどによっても味が変わってくるので、一概に精選(精製)方法だけで決まるという訳ではありません。これまで何故そのような違いに着目されなかったかについては、精選(精製)方法の多様化が、最近の流れということもありますが、ナチュラルやハニーのような糖分を残した精選(精製)方法は、品質面で長期的な安定が難しい為に大量に出回ることがなかったからではないかと思います。あくまで私個人の感想ですが、長期的な安定品質を重視する商品は、味から判断する限りでは、ウォッシュドや深煎りが多いように感じます。なかなかはっきり言えませんが。

当店では、ナチュラル精選で人気の銘柄は、バリ 神山ナチュラル、イエメン モカマタリアールマッカ、エチオピア ゲシャチャカ、エチオピア イルガチェフコチャレG1、ドミニカ ドンペペワイニーナチュラルなどです。どれも焙煎したてから2~3日以降で、それぞれの味わいと共に鮮烈な香り、それもコーヒーらしからぬフルーティな香りで人気があります。

それぞれ精選方法という視点から選んで頂くと、銘柄のバリエーションもより楽しんで頂けると思います。是非一度お試しください。

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