朝晩はかなり涼しくなりました。それでもまだ日中、温度が上がる日もあったりして、何だかスッキリしませんね。さて今日は、ブレンドのお話。
ブレンドって一般的な割にあまり知られていないように思います。ブレンド派のお客様も相当数いらっしゃいます。ぶっちゃけ話も含めて少々。
ブレンドの目的は、「安定」とでも言いましょうか。複数の豆をブレンドすることで様々な「安定」が得られます。コーヒーは農作物ですから年によって品質や価格、そして供給量がばらつくことがあります。例えば、仮に4種ブレンド、A豆25%、B豆25%、C豆25%、D豆25%%とすると、ひとつが値上げされても25%しか影響がありません。あるいは、どれかの供給が途絶えたとしてもやはり影響は25%で済みます。さらにブレンドの最大の理由として、目指す味を担保する為に配合比率や原材料を変えるところにある訳です。お客様に提供する味を安定させる為にブレンドを作る訳です。配合比率は、味の比率であると同時にリスクヘッジの比率でもある訳です。
では何をどう混ぜるかですが、生豆の状態でブレンドして一緒に焙煎する方法と、焙煎済みの豆を合わせてブレンドを作る二つの方法があります。一長一短ですが、後者は豆により焙煎度合いを変えられるので、より複雑な組み合わせが可能です。当店で最も人気のある楓スペシャルブレンドは、生豆を合わせています。焙煎したてを味わって頂けるブレンドとしておすすめしています。酸味は抑えめで、コクが出るブレンドにしていますが、配合している豆のロット(一度に生産された分)が変わった時などには、改めて味を見て検討したりしています。
公正競争規約では、レギュラーコーヒー(焙煎したコーヒー)の場合、ブレンドの内訳として生豆の原産国は、重量の多い順に2か国表示すれば良いということになっています。大手の主力商品は、ほとんどがブレンドだと思いますが、何がどれだけ入っているかより、訴求する味を重視しているように思います。「A社の○○ブレンド」は「苦味の利いた味」とすると最初に選んだ豆が次の入荷から苦味が少なくなったりすることは良くある話で、苦い豆を探して来て入れ替えることがあるかもしれません。これを「何だか分からへん」と言うのか「お客様に愛される味(目指す味)を優先した結果や」と言うのか、これは難しい話ですね。独自のブレンドが生むおいしさこそが「競争の源泉」であり、目指す味をぶらさない方がユーザーファーストということだとすれば、ブレンドの内訳にこだわるのも何だかという気がします。
ブレンドを作る際にやはり「王道の味」を考慮するケースが多いと感じます。ブラジルやコロンビアのようなコーヒーの味として広く認知されている豆を中心にブレンドするケースが多いように思います。シングル(単一銘柄)よりもおいしく、更にはコストを下げたりというのが、ブレンドの役割です。ただ混ぜれば良いというものでもありませんので、コーヒーのしっかりした味わいに香りや酸味、苦味をプラスして、味わい全体に奥行きを出し、且つ価格メリットを出すという感じでしょうか。何や知らんけど…小難しいですね。
味や価格がちょくちょく変わるのは避けたいと思いますが、シングルオリジン(単一銘柄)はどうしても作物の出来栄えで風味や香りが異なることがあります。仕入れの際にロットを確認して、それがいつまで続くのか、あるいは、販売する分は一度で仕入れてしまうとか、いつでも安定した品質でリーズナブルで、おいしく召し上がっていただけるよう努力したいと考えています。
楓スペシャルブレンド
開店以来、多くの方にご愛顧頂いております。当店人気No.1です。酸味を抑えて、それでいて苦くなり過ぎない味にしています。ハイローストで良い味わいになるよう考えていますが、シティやミディアムを好まれるお客様も多いです。インドネシア、ブラジルほか。
楓アメリカンスペシャル
アメリカンは薄いと言われていますが、これは薄くはありません。あっさりした味わいの豆をブレンドしています。香ばしくすっきりとした味わいで、昔の大阪の喫茶店で親しまれてきたものを意識してブレンドしてみました。インドネシア、ブラジルほか。
楓アイスブレンド
アイス用にブレンドしてみました。当店のテイクアウトのアイスコーヒーに使用しているブレンドです。フルーティな香りと苦みを利かせています。ホットで飲んいただいても良い香りと深いコクを楽しんで頂けると思います。インドネシア、タンザニアほか。
先日、お客様から「業務用で使いたい」というお話を頂きました。お菓子を扱うサロンのようなイメージの店とおっしゃってました。どうぞお気軽にご相談ください。一定数量からオリジナルブレンドやメニューについてもご相談させて頂きます。
10月25日(金)から10月度のおすすめセールです。11月には新豆も色々入荷する予定です。12-1月はおはがき合併号で年末年始の特別企画もありますので、今月はそれまでのコーヒーを確保しにいらして下さい。ご期待ください。